群馬県 美容レーザー アライクリニック
骨の成分が全体として減少し、骨折しやすくなった状態を骨粗鬆症と言います。
骨粗鬆症の分類
1 原発性骨粗鬆症(明らかな原因疾患が見つからないもの)
骨粗鬆症の90%以上をしめ、そのほとんどが中高年者に起こる退行期骨粗鬆症です。男女共発症しますが、女性では閉経後に出現、男性に比べ発症時期が早いため、重症化しやすく骨折などの臨床的な問題を引き起こしやすいので、注意を要します。
2 続発性骨粗鬆症
バセドウ病、クッシング症候群、重症糖尿病、慢性関節リウマチ、胃の手術、アルコール多飲、ステロイド剤服用などが原因となり発症する骨粗鬆症。原因疾患の治療が必要であり、原発性骨粗鬆症との区別が重要です。
退行期骨粗鬆症の成因は
高齢になっても骨は毎日少しづつ作られ、少しづつ壊されています。作られる骨の量より壊される骨の量が多くなると骨粗鬆症になります。実際には、様々な要因が重なり合って退行期骨粗鬆症が発症すると考えられています。
1 性ホルモンの低下
女性では50再前後の閉経期から、男性では70才前後から性ホルモンが低下します。女性ホルモン、男性ホルモンとも骨の形成を促進、また、骨の減少を抑制する作用があり、これらの性ホルモンの低下が退行期骨粗鬆症の発症に関与していると考えられます。
2 カルシウム摂取不足
日本人は欧米人に比し牛乳や乳製品の摂取量が少なく、退行期骨粗鬆症の要因になっています。
3 ビタミンD不足
ビタミンDには腸からのカルシウムの吸収を良くし、また、腎臓から尿としてカルシウムが体外に失われるのを防止する働きがあります。日光照射不足などでビタミンDが不足します。
4 副甲状腺ホルモン、カルシトニンなどの骨の代謝を調節するホルモンのバランスが悪いなど
5 運動不足
運動は骨を刺激し骨の形成を刺激します。年と共に運動量が低下すると骨粗鬆症の原因になります。また、骨粗鬆症による骨折のために運動量が低下すれば、悪循環になります。
6 遺伝
骨粗鬆症は黒人に比し、日本人や白人に多いことが知られています。また、同じ家系内で発症しやすいことも知られています。最近になって、ビタミンDが作用する受容体の遺伝子の相違が骨粗鬆症になりやすいかどうかを決める遺伝的な因子の一つであることがわかりました。
骨粗鬆症の症状は
腰の痛み、背中の痛み、骨折などです。しかし、レントゲンでひどい骨粗鬆症があっても症状がない場合もあり、注意が必要です。
骨折は、背骨(脊椎)、腰椎、足の付け根(大腿骨頸部)などにおこりやすく、脊椎や腰椎には圧迫骨折といい背骨がつぶれる形の骨折が多く、腰が曲がり、前かがみになり、背が低くなる姿勢の原因となります。大腿骨頸部の骨折は転んだ時などにおこりやすく、なかには腰をひねっただけで骨折する場合もあります。
骨粗鬆症の検査および診断は
レントゲン写真、放射線や超音波を利用した骨量の測定などが行われます。血液検査では明らかな異常を認めないことが多く、血液中のカルシウム濃度や骨に由来するアルカリフォスファターゼ活性などに明らかな異常が認められる場合は、骨粗鬆症以外の骨疾患を疑う必要があります。
退行期骨粗鬆症の治療は
1 食事療法
カルシウムを十分に摂取する必要があります。成人日本人のカルシウム必要量は1日に600ミリグラムですが、骨粗鬆症の患者さんでは800~1000ミリグラム摂取する必要があります。しかし、1990年の国民栄養調査では平均摂取量は537ミリグラムとカルシウム摂取不足の状態でした。また、高齢者ではさらに少なく400~500ミルグラムしか摂取していないのが現状です。カルシウムを多く含む食品の牛乳や乳製品のカルシウムは腸から吸収されやすく理想的な食品です。また、小魚、ヒジキなどもカルシウムの多い食品です。
2 運動療法
運動は骨量を増加させ、骨粗鬆症の予防治療に効果があります。また、高齢の骨粗鬆症患者さんでは骨折を誘発する可能性もあり十分な注意が必要です。
3 薬物療法
単独でまた2種類以上の薬物を併用し投与される。
1)カルシウム製剤
食事からのカルシウム摂取を補足するために投与される。
2)活性型ビタミンD
副作用として高カルシウム血症が起こりうる。
3)カルシトニン
骨代謝の調節ホルモンであるカルシトニンは鎮痛作用も有し、骨粗鬆症の治療に用いられている。
4)女性ホルモン
女性ホルモンの低下は閉経後骨粗鬆症の主要な原因と考えられ、このホルモンの補充は骨粗鬆症に有効と言われています。子宮体癌などの副作用があり注意が必要です。最近は副作用の少ない、貼り薬、女性ホルモン類似薬も開発されています。
5)その他
ビタミンK、イプリフラボンなどが使用されています。
骨粗鬆症の予防
骨粗鬆症は予防が最も重要な疾患です。女性では10代後半から20才ころに骨量が最大になり、以後40才ころまでこれを維持し、その後、閉経と共に急速に骨量が低下します。
予防の原則は
1 10才代の成長期に骨量をなるべく多くしておく。
2 その後の骨量の低下をなるべく少なくする。
の二点です。いずれのためにも、カルシウムの十分な摂取、運動、適度な日光照射が有効です。この他アルコール、ニコチンおよびカフェインはカルシウムの吸収を阻害するなどの作用があり骨量を低下させるので、注意が必要です。
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